FAQ HPVワクチン(ヒトパピローマウイルスワクチン)について
ヒトパピローマウイルス(HPV)は、性経験のある女性であれば50%以上が生涯で一度は感染するとされている一般的なウイルスです。子宮頸がんを始め、肛門がん、膣がんなどのがんや尖圭コンジローマ等多くの病気の発生に関わっています。子宮頸がんは、若い世代の女性のがんの中で多くを占め、日本では毎年約1万人がかかり、毎年約3,000人が亡くなっています。
HPVワクチンのうち2価・4価ワクチンは、子宮頸がんをおこしやすいタイプであるHPV16型と18型の感染を防ぐことができます。そのことにより、子宮頸がんの原因の50~70%を防ぎます。
9価ワクチンは、HPV16型と18型に加え、ほかの5種類のHPVの感染も防ぐため、子宮頸がんの原因の80~90%を防ぎます。
HPVワクチンを導入することにより、子宮頸がんの前がん病変を予防する効果が示されています。また、接種が進んでいる一部の国では、子宮頸がんそのものを予防する効果があることも分かってきています。
【対象年齢】
小学校6年生から高校1年生の年齢に相当する女性(令和7年度の対象者:平成21年4月2日~平成26年4月1日生まれの方)
※望ましい接種年齢は中学1年生です。
※接種日当日に対象年齢、対象期間を過ぎている場合は定期接種になりません。
なお、令和6年夏以降の大幅な需要増により、HPVワクチンの接種を希望しても受けられなかった方がいらっしゃる状況等を踏まえ、以下の経過措置が設けられました。令和7年度に限り、以下の方も定期接種の対象となります。
《経過措置の対象者》
平成9年4月2日~平成21年4月1日生まれの女性のうち、令和4年4月1日~令和7年3月31日までにHPVワクチンを1回以上接種し、接種完了していない方
《経過措置の期間》
令和8年3月31日まで
【ワクチンの種類と接種方法】
定期接種として使用できるワクチンは2価ワクチン(サーバリックス)、4価ワクチン(ガーダシル)及び9価ワクチン(シルガード9)の3種類です。
HPVワクチンは、原則として同じ種類のワクチンを3回接種しますが、2価ワクチンもしくは4価ワクチンを途中まで接種した方が、9価ワクチンにより残りの回数を接種する方法(交互接種)についても、医師と被接種者等がよく相談した上であれば、実施して差し支えありません。
《2価ワクチン(HPV16型、18型)【製品名:サーバリックス】》
接種回数:3回
(標準的な接種方法)
1回目の接種から、1か月の間隔をあけて2回目、6か月の間隔をあけて3回目を接種する。
(当該方法をとることができない場合の接種方法)
1回目の接種から、1か月以上の間隔をあけて2回目、1回目から5か月以上かつ2回目から2か月半以上の間隔をあけて3回目を接種する。
《4価ワクチン(HPV6型、11型、16型、18型)【製品名:ガーダシル】》
※HPV6型、11型は尖圭コンジローマの発症原因とされています。
接種回数:3回
(標準的な接種方法)
1回目の接種から、2か月の間隔をあけて2回目、6か月の間隔をあけて3回目を接種する。
(当該方法をとることができない場合の接種方法)
1回目の接種から1か月以上の間隔をあけて2回目、2回目の接種から3か月以上の間隔をあけて3回目を接種する。
《9価ワクチン(HPV6型、11型、16型、18型、31型、33型、45型、52型、58型)【製品名:シルガード9】》
※HPV6型、11型は尖圭コンジローマの発症原因とされています。
(1)3回接種の場合
※1回目の接種が15歳以上の場合は3回接種となります。
※1回目の接種が15歳未満の場合でも3回接種することは可能です。
(標準的な接種方法)
1回目の接種から、2か月の間隔をあけて2回目、6か月の間隔をあけて3回目を接種する。
(当該方法をとることができない場合の接種方法)
1回目の接種から1か月以上の間隔をあけて2回目、2回目の接種から3か月以上の間隔をあけて3回目を接種する。
(2)2回接種の場合
※1回目の接種が15歳未満の方に限ります。
(標準的な接種方法)
1回接種後、6か月の間隔をおいて2回目を接種する。
(当該方法をとることができない場合の接種方法)
通常6か月~12か月の間隔をおいて接種しますが、6か月以上の間隔をおいて接種できない場合、2回目の接種は1回目の接種から少なくとも5か月以上の間隔をおいて接種することができます。接種間隔の上限はありませんが、13か月後までに接種を完了することが望ましいとされています。
※5か月未満で2回目を接種した場合には、3回目の接種を実施します。
【他の予防接種までの間隔】
制限はありません。
【持っていくもの】
1)氏名・生年月日・住所を確認できるもの(保険証など)
2)予診票(同封)※札幌市ホームページからもダウンロードできるほか、医療機関でもお渡しできます。
このほか、母子健康手帳など接種歴を確認できるものがあれば、できるだけお持ちください。
【保護者の同意・同伴について】
13歳未満の接種の際には必ず保護者の同伴が必要です。ご注意ください。
13歳以上16歳未満の方は同意書に保護者の自署があれば、保護者の同伴がなくても接種可能です。
16歳以上の方は保護者の同意・同伴は不要です。
詳細は関連ホームページ「HPV(ヒトパピローマウイルス)ワクチン」をご覧ください。
《よくある質問》
Q:対象者について知りたい
A:定期接種の対象となるのは小学校6年生から高校1年生の学年の年齢に相当する女性です。
また、平成9年4月2日~平成21年4月1日生まれの女性のうち、令和4年4月1日~令和7年3月31日までにHPVワクチンを1回以上接種し、接種完了していない方は、キャッチアップ接種の経過措置の対象者として令和8年3月31日まで定期接種の対象となります。
Q:どこで接種できるのか
A:予防接種の実施医療機関は、関連ホームページ「子どもの予防接種実施医療機関名簿」をご覧ください。※予約が必要な場合や再来の方のみ受付する場合がありますので、事前に医療機関にお問い合わせください。
Q:9価ワクチン(シルガード9)は定期接種の対象ですか?
A:令和5年4月より、9価ワクチン(シルガード9)が定期接種の対象となっています。詳細は関連ホームページ「HPV(ヒトパピローマウイルス)ワクチン」を御確認ください。
Q:定期接種の対象年齢(高校1年相当まで)を過ぎても、接種の効果はありますか?
A:16歳頃までに接種するのが最も効果が高いですが、それ以上の年齢で接種しても、ある程度の有効性があることが、国外の研究で示されています。
Q:接種を受けなければならないのか・接種を受けるべきか迷っている
A:HPVワクチンは、国内外の研究結果から、接種による子宮頸がんの予防効果などのメリットが、副反応などのデメリットよりも大きいことが確認されているため、市民の皆さまへ接種をお勧めしています。しかし、接種はあくまでご本人の意思に基づき受けていただくものであり、接種対象者やその保護者の同意なく、接種が行われることはありません。実際に接種を受ける際は、ワクチンの効果とリスクを十分に理解した上で、受けるかどうかご判断ください。
また、関連ホームページ「HPV(ヒトパピローマウイルス)ワクチン」において、厚生労働省が作成したHPVワクチンの有効性と安全性についてのリーフレットを掲載していますのでご参照ください。
Q:どのような副反応があるか
A:HPVワクチン接種後に見られる主な副反応として、発熱や接種した部位の痛みや腫れ、注射による痛み、恐怖、興奮などをきっかけとした失神などが挙げられます。
また、ワクチン接種後に見られる副反応が疑われる症状については、接種との因果関係を問わず収集しており、定期的に専門家が分析・評価しています。
その中には、稀に重い症状の報告もあり、具体的にはアナフィラキシー、ギランバレー症候群、急性散在性脳脊髄炎 (ADEM)、複合性局所疼痛症候群 (CRPS)が挙げられます。
Q:副反応の報告はどのような制度になっているのか
A:予防接種による健康被害やその疑いのある患者を診察した医療機関から、厚生労働省へ報告を行う制度となっています。
ワクチン接種後の体調の変化等でご心配な場合は、速やかに接種医療機関等にご相談ください。
また、この制度では、必要に応じて市町村を通して接種を受けた方又はご家族の方から報告することも可能です。
手続き等については、【保健所感染症総合対策課】(電話:011-622-5199)へご相談ください。
《お問合せ先》
【保健所感染症総合対策課】(電話:011-622-5199)
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